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VR バケーションでトラベル&レジャーが変わる

旅の準備はもう要らない?!バーチャル・リアリティーが可能にする新しい旅体験

休暇を取るとなれば、航空券や、レンタカー、ホテルの費用をはじめ、何かと雑費もかさむものです。膨らんでいく旅費に嫌気がさして、わざわざテーマパークやビーチに出かけるよりも、オフィスで仕事をしている方がましだと感じる人も少なくありません。

そこで、新しいテクノロジーが、リッチでインタラクティブな臨場感あふれるデジタル体験と新しい旅のカタチを提案。家から出ることなく世界中を旅することも可能になります。

「バーチャル・リアリティー (VR) を活用した休暇なら、多忙を極める現代のライフスタイルからつかの間の脱出を試みたり、いつもは考えてもみないようなことを試したりすることが可能です。VR を適切に利用すれば、視聴者に感動的で忘れられないリアルな体験を提供できます」と語るのは、360 度 VR 体験に特化したプロダクション企業、Rapid VR 社 の共同創業者でエクゼクティブ・プロデューサーのスザンナ・ディラロ氏です。

バーチャル・バケーションなら旅の計画や荷造りも必要なく、旅行者にとっては、実に多くの利点があります。VR ヘッドマウント・ディスプレイには、地球上のみならず、地球外の未知な場所の音や風景を体験するために必要なものすべてが装備されています。タイムトラベラーとなって過去に立ち戻り、あなたを歴史の証人にすることも可能なのです。

休暇スタイルの変化

ともすると高級リゾートや海外旅行の代わりにキャンプはどうだろう? という発想になりがちですが、コストは意外にかさみます。実際、米国の 400 以上の公園では入場料、駐車料金、予約手数料などを徴収しています。

今ではインターネットさえあれば、誰もが Google の新しいバーチャル・ツアーシリーズ「The Hidden Worlds of the National Parks」を利用して、米国内にある国立公園の魅力を堪能できます。

このバーチャルツアーには、ハワイの活火山を上空から眺めたり、アラスカの氷山の間をカヤックで漕ぎだしたり、フロリダの海では難破船の中を泳ぎ抜けたりといった体験ができる 360 度動画が含まれています。

国立公園のビジター料金が年々値上げされるのは、維持費の増大に起因しています。多くの橋や道路、遊歩道は常に整備し続けなければなりませんが、Google のようなバーチャルツアーなら、国立公園の自然保護に大きく貢献することにもつながります。

「観光業界などの団体と協力すれば、360 度 VR によって、現地で実際にどんな冒険や体験ができるかを視聴者にリアルに伝えることも可能です。消費者が見たいものや体験したいと思っているものをよりよく理解させることで、意思決定プロセスに変化をもたらすことも可能です」とディラロ氏。

チケットを購入する前に休暇の「試乗」ができるということは、世界の反対側で人生一度きりの大旅行を計画する人にとってはとりわけ価値のあるサービスだと言えるでしょう。

拡大する世界

バーチャル・バケーションは、ユニークで安価な旅行体験を作り出すだけでなく、新たな旅先の開拓にも役立ちます。現実世界では、80 歳の女性が土星に行くことなどまず考えられませんが、デジタルの世界ならそれが可能です。

2011 年、 Guerilla Science 社は、宇宙旅行専門の架空の旅行代理店 Intergalactic Travel Bureau (ITB) を立ち上げました。旅行を楽しむ人たちは、このサービスを利用して、宇宙への惑星外旅行を夢見て「エージェント」と計画を進めていくのです。

バーチャル・バケーション構想について、「このプロジェクトの目標は、科学者と一般市民とが一緒になって、ほかの惑星を旅するようになるとしたら、と想像することです。手始めに、みんながイメージを共有できるような休暇を提案しています」と語るのは Guerilla Science 社のオペレーション責任者、オリヴィア・コスキ氏です。

Guerilla Science 社では現在、クラウドファンディングを通じてモバイル VR アプリ制作の資金を募り、宇宙旅行のコンセプトのステップアップを図っています。

ITB はこれについて、「宇宙旅行ビジネスを行う Virgin Galactic 社と宇宙開発企業の Space X 社が、宇宙家族ジェットソンとマッドメンに遭遇するようなもの」と例えていますが、実際にはそんなに簡単な話ではなく、NASA の科学的データを使って設計された仮想世界を映し出す必要があります。

アプリが完成した暁には、アポロ計画の月面着地地点や火星の渓谷などを探検できるようになるでしょう。

次世代にはこうしたはるか彼方への旅行を実際に予約する日が来るのかもしれませんが、ITB のアプリを使えば、現代でもそれが可能になるということです。

「ほとんどの人は、月はおろか、月より高度の低い場所でさえも旅することはできません。宇宙バケーションを体験できる唯一の方法が VR なのです」とコスキ氏。

昔のパリへのタイムトラベル

バーチャル旅行は家でしか体験できないわけではありません。観光地でも、観光客にその土地の過去や現在について理解してもらおうと、VR の利用が進んでいます。

フランスのスタートアップ企業 Timescope 社は、利用者が過去にタイムトリップできる VR 望遠鏡「ファースト・セルフサービス VR キオスク」を開発。パリ市内の多くの人気スポットに設置されています。

VR 望遠鏡は、訪れたい時代を選択すると、現在立っているまさにその場所を歴史的に再現した 3D 画像を映し出してくれます。

このようにして再現される各スポットは、歴史家による検証済みの歴史記録を使用して設計されており、利用者は 360 度回転する望遠鏡から映し出される 1628 年のセーヌ川や 1416 年のバスチーユなどの歴史的空間の中に紛れ込んだかのような感覚に陥ります。遠くから聞こえてくる当時のサウンドによって、より臨場感が増すのです。

「例えば中世にタイムトリップして、いかに街の様子が変化したのかを実感することも可能です。これはまさにバーチャル・タイムマシンなのです」と、Timescope の共同創業者であるエイドリアン・セダカ氏はウェブマガジン Frenchly のインタビューで語っています。

VR 体験の進化は始まったばかり

グランドキャニオンや月、17 世紀への旅だけにとどまりません。今や日常生活からの逃避を求める人に対して、かつてないほどの選択肢が提供されています。

しかし、現在のテクノロジーはまだその潜在能力を十分に発揮しているとは言えません。明日の VR 体験がどのように進化するのかは誰にも分からないのです。

インテルのビジネス・ディベロップメント部門のマネージャー、ラジーブ・プーランはこう語っています。

「今から 5 年後には、VR ヘッドマウント・ディスプレイを装着することで高級ジェット機のファーストクラスに身を沈めて空の旅の素晴らしさを眺め、タヒチ島に着陸してビーチの散歩を楽しめるようになるでしょう。涼しい風を感じながら、同じようにヘッドマウント・ディスプレイを使ってほかの場所からやってきた人々と出会い、おしゃべりをし、ダンスを踊ることもできるのです。おそらく 5 年以内には、それが実現するでしょう」

VR の急速な進歩に伴い、インテルの一体型ヘッドセット Project Alloy のような新しいマージド・リアリティー(融合現実)の体験は、バーチャル旅行をさらに魅力的なものにしてくれることでしょう。

 

 

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