教育

科学技術で世界を救う高校生たち

2016 インテル・サイエンス・タレント・サーチで、十代の若者たちが総額 100 万ドル (約1億1,000万円) の賞金を手にました。75 年の歴史を持つこのイベントで、ファイナリストの半数以上が女性だったのは初めてのことです。

製薬会社ががんや心臓疾患の新しい治療法を開発できるように支援するソフトウェア。雨水から一般的な汚染物質を除去する、コストパフォーマンスに優れたフィルター。スマートフォンで高価な装置と同じくらい正確に肺疾患を診断する、低コストな肺機能アナライザー。

ワシントン D.C. のナショナル・ビルディング・ミュージアムで 3 月 15 日に開催された、2016 インテル・サイエンス・タレント・サーチ (Intel STS) で、これらの開発プロジェクトに携わった 3 人の若者 (アモール・パンジャビくん、ペイジ・ブラウンさん、マヤ・ヴァルマさん) が優秀賞を受賞。それぞれ賞金 15万 ドル (約 1,600 万円) を獲得しました。

米国の高校生を対象とした Intel STS は、米国で最も古く、最も名誉ある科学コンテストです。12 名のノーベル賞受賞者、2 名のフィールズ賞メダリスト、17 名のマッカーサー財団フェロー、11 名の国家科学賞および国家技術賞の受賞者も輩出しています。

今年のイベントには、高校の最上級生約 1,750 人が応募しましたが、最終選考に残ったのはわずか 40 人。これらのファイナリストたちはワシントンを 1 週間旅しながら、自身の独創的な研究を各界の審査員にプレゼンテーションし、基礎研究部門の 3 つの部門で最優秀賞を競いました。

3 人の優秀賞受賞者のうち 2 人が女性であるだけでなく、ファイナリストのうち半数以上が女性であったのは、75 年の歴史を誇るこのイベントで初めてのことです。

インテル コーポレーションの人材担当副社長、企業行動部長、インテル財団社長のロザリンド・ハンデルは、「この出来事は、テクノロジーとエンジニアリングの分野における男女格差を縮める上で、感動的な一歩です。これらのファイナリストたちの優れた業績によって、さまざまな背景を持つ若い人たちが、これらの分野への関心を深めるきっかけになることを期待します」と語っています。

以下に、受賞者たちをご紹介します。

基礎研究部門優秀賞

この賞は、徹底した研究と分析を通じて非常に優れた科学的潜在力を実証したファイナリストに贈られます。

第 1 位:アモール・パンジャビくん (17 歳、マサチューセッツ州マールボロ)

パンジャビくんは、計算生物学および生物情報科学プロジェクトにおいて、製薬会社ががんや心臓疾患の新しい治療法を開発できるように支援するソフトウェアを開発。彼は、ACS Nano で発行しているナノ粒子に関する論文の主執筆者であり、Nanoscale に関連したテーマを扱う論文の共著者でもあります。

第 2 位:ミーナ・ジャガディーサンさん (17 歳、イリノイ州ネーパービル)

ジャガディーサンさんは代数的組み合わせ論におけるオブジェクト、または計数の計算について研究。グラフにおけるクラス間の新規関係を明らかにしました。

第 3 位:クナル・シュロフくん (17 歳、ヴァージニア州グレートフォールズ)

シュロフくんは、研究の中でハンチントン病に関連した主要タンパク質と、その症状を引き起こす原因となる細胞死の生物学的過程との間に新しい関係を発見。彼の研究は、新しい治療法につながる可能性を秘めています。

 

世界の利益部門優秀賞

この賞は、改善することへの熱意を通して優れた科学的潜在力を実証したファイナリストに贈られます。

第 1 位:ペイジ・ブラウンさん (17 歳、メーン州バンゴア)

ブラウンさんは2 年間にわたり、環境面で正常な機能が損なわれた大腸菌の多い 6 つの地域水路と、リン酸塩汚染度の高い 5 つの地域水路の水質を調査。彼女が現在開発しているコストパフォーマンスに優れたフィルターの大部分は、雨水からリン酸塩を除去するアルギン酸カルシウムストランドでできています。

第 2 位:マイケル・チャンくん (18 歳、ペンシルベニア州バーウィン)

チャンくんは、内科的治療のために小さなウィルス状の粒子を設計。これらの細胞のゲノムを管理された方法で変えることによって、細胞を標的にする遺伝子組み換えタンパク質を作り出しました。

第 3 位:ネイサン・チャールズ・マーシャルくん (17 歳、アイダホ州ボイシ)

マーシャルくんは海底堆積物のコア試料を研究。それを現在の気候変動と関連付け、すぐに措置を講じれば、地球は現在の気候変動傾向から回復できるとの結論を導き出しました。

 

イノベーション部門優秀賞

この賞は、革新的な設計と創造性を通して問題解決能力を実証したファイナリストに贈られます。

第 1 位:マヤ・ヴァルマさん(17 歳、カリフォルニア州キューパーティーノ)

発展途上国の人々が肺疾患の医療処置を受けられないことを心配したヴァルマさんは、スマートフォンで使える低コストな肺機能アナライザーを開発しました。わずか 35 ドル (約 3,800 円) の趣味工作用の電子機器と無料のコンピューター支援設計ツールを使用して作ったこのアナライザーは、現在医療施設で使用されている高価な装置と同じくらい正確に肺疾患を診断できます。

第 2 位:ミリンド・ジャゴタくん (18 歳、ペンシルベニア州ベスレヘム)

ジャゴタくんは、現在タッチスクリーン・デバイスで使われている透明導電体の代替品となり得る、より低コストなランダム・ナノワイヤー・ネットワークのパフォーマンスを研究しました。

第 3 位:カブヤ・ラビチャンドランさん (17 歳、オハイオ州ウェストレイク)

ラビチャンドランさんは、心臓発作や脳卒中の原因となり、死にもつながりかねない血栓を破壊するナノ医薬品の使用法を研究しました。

 

世界の問題解決に貢献する受賞者たち

第 2 位には 7万5,000 ドル (約 800 万円)、第 3 位には 3万5,000 ドル (約 380 万円)、それ以降のファイナリストはそれぞれ 7,500 ドル (約 80 万円) を獲得。

このコンテストを通じて、総計、1,000,000 ドル (約 1 億 1,000万円) 以上がファイナリスト、セミファイナリスト、そして彼らの学校に贈られました。

Society for Science and the Public 社の社長兼 CEO であり、サイエンス・タレント・サーチの同窓生でもあるマヤ・アジメラ氏は、「当協会はアモールくん、ペイジさん、マヤさんを祝福します。彼らを含む Intel STS 2016 の上位受賞者は、科学技術を使って世界で起きている問題の解決に貢献しています。彼らは私たちが将来必要とするソリューションの創出を、最先端で牽引していくことでしょう」と評しています。

 

この記事をシェア

関連トピック

教育

次の記事

Read Full Story