イノベーションを生み出す母たち

ドローンの女王: 夜空でのライトショーに変革を

ナタリー・チェンは、マサチューセッツ工科大学 (MIT) の工学部を卒業後、インテルでドローン・イノベーション・チームを率いるゼネラル・マネージャーまで一気に上り詰め、世界中の屋外コンサート、テーマパーク、市民フェスティバルでの夜間エンターテインメントに変革をもたらしています。

2015 年 11 月には、ドイツのハンブルグ郊外でチェンのチームが 100 機の LED 搭載ドローンを飛行させ、夜空を光で彩りました。これは、最も多くの無人航空機 (UAV) を同時に飛行させたとして、ギネス世界記録にも認定されました。

この「ドローン 100」ライトショーは、その後まもなく、300 機の同時飛行で新記録を作り、さらに 500 機の同時飛行で記録を更新しました。

「ドローンを買って飛ばし、空を舞っているのを見るのは最高ですが、同時に100、300、500 機のドローンを飛ばすのはワクワクしますよ」とインテルの UAV グループでドローン・ライト・ショー部門のゼネラル・マネージャーを務めるチェンは語ります。

ナタリー・チェン

チェンが率いるインテルのドローン・ライト・ショーのチームは、新たなテクノロジーに着手したばかりです。

彼女のチームは LED を搭載した軽量なインテル® Shooting Star™ ドローンを使用していますが、このドローンは可動型 3D シェイプを作り出すようプログラムされており、40 億通りに及ぶカラー・コンビネーションで夜空を彩ります。

「点灯した LED が夜空を彩る様子は格別ですが、たった 1 人のパイロットが 1 台のコンピューターですべてを制御していると考えると驚きですね」とチェン。

ソフトウェア・エンジニア、ハードウェア・エンジニア、アニメーター、ドローン技術者、認定ドローンパイロットが所属するこのドローンチームは、世界中の大規模な文化イベント向けの新たな夜空エンターテインメント体験を開発しています。 少し例を挙げると、2017年 NFL スーパーボールのハーフタイム・ショー、コーチェラ・ヴァレー・ミュージック・アンド・アーツ・フェスティバル、オーストラリアのビビッド・ライト・フェスティバルなどで独特なライトショーをデザインしました。

最近では、ロサンゼルスでのイベント期間中に、映画のホーム・エンターテインメント向けリリースを記念して、Warner Bros. (ワーナーブラザーズ) 社と Ultra Productions 社の「ワンダーウーマン」スペシャル・ライト・ショー を考案。 女性のみによるドローン・ライト・ショーの運営を行い、エレキチェロ奏者のティナ・グオ氏によるライブ・パフォーマンスを実現しました。

「ドローンは本当に素晴らしいですね。見ていると、これが未来かと思ってしまいます」と、「ワンダーウーマン」のディレクター、

パティー・ジェンキンス氏は語っています。

チェンは思いが高まると、すぐに行動します。 世界中を飛び回る彼女は、時おり、浴びるほどのミーティングに息が詰まりそうになりますが、まるで時間が止まるかのように、数百機ものドローンが整列するのを見られる瞬間がますます増えています。 その 1 つに、カリフォルニアの砂漠で開催されるコーチェラの音楽祭があります。チェンのチームがこの音楽祭とつながったことで、企画が現実のものとなったのです。 しかもその構想は、当初から彼女自身の「夢実現リスト」にあったものだと言います。

「コーチェラは私の家と職場のちょうど南に位置しています。 初めて 100 機のドローンを飛行させたときから、ライトショーはミュージック・フェスティバルに異次元の世界をもたらすだろうと思っていました。 頭に浮かんだ最初のフェスティバルはもちろんコーチェラです。誰もが聞いたことのある フェスティバルには、常に象徴的な大観覧車と、開催地のパーム・スプリングスに由来するヤシの木 (パームツリー) があります。そこで私たちは、コーチェラ向けに特別にショーをデザインしました」とチェンは振り返ります。

ドローン・ライト・ショーをやり遂げるには、たくさんの可動パーツと複雑さを感じさせない完璧な連動が求められます。

「常に異なる環境で新たな課題に取り組むわけです」 (チェン)

キャリアパスの始まり

チェンは、MIT で電気工学とコンピューター・サイエンスの修士号を取得し、卒業後はインテルに就職。UAV グループに所属する以前は、インテルの 2 人の CEO と一緒に働くローテーション・プログラムに就いていました。

インテルの CEO ブライアン・クルザニッチとの立ち話から生まれた

ドローン・ライト・ショーのアイデアは、すぐに成長ビジネスへと発展。 まもなく、チェンが舵を取るようになりました。

「ドローンのお陰で、ものの仕組みに魅力を加える絶好の機会を得ました。誰からでもドローン・ライト・ショーが見えるように、その調整ばかり考えています」

と言う彼女は、絶えず自分のチームでブレインストーミングを行っています。 ライトショーは商業ベースで、あるいは彼女の言う「360 度空中ブランディング」において、どのように使われるのでしょうか?

「私は、仕事だと思えないようにこなそうと必死です。 現場で人と会うのは本当に楽しいですし、その後、彼らが初めてドローン・ライト・ショーを体験して驚いてくれているのを見ると本当に嬉しいのです」とチェン。

ドローンに関われば関わるほど、彼女の頭の中には、遭難した登山者の捜索から忘れられない結婚式の演出まで、

テクノロジーが日常生活のあらゆる面でどう支援できるかというアイデアが次々と湧き出てきます。

ドローン・テクノロジーが進化するにつれて、より優れた、より安全な自動飛行が可能となり、ドローン・ライト・ショーのシステムの配置や運営がより簡単に行えるようにもなります。チェンはこう説明します。 「私たちのチームは、ドローン・テクノロジーで実現可能なものにまさに着手し始めたばかりです。運営やデザインのイノベーションを通じて学んだことは、ライトショーにとどまらず、ドローンをさらに便利にできる新たなブレークスルーを生むことにつながります。

今は 1 人のパイロットが 1 機のドローンを飛ばして捜索や救出活動を行っていますが、 1 人のパイロットが複数のドローンを飛ばせれば、より速く広い範囲を捜索できます。 将来、収集可能なすべてのデータはクラウドに送信されて分析され、遭難した登山者をより効率よく捜索できるようになるでしょう」

チェンは、今やドローン業界では有名なインフルエンサー (影響力のある人) です。 Drone 360 Magazine は、彼女を「2017 年 UAS で注目のトップ女性」の 1 人に選出。同サイトではドローン・ライト・ショーを、「インテルにとって前途有望なビジネスチャンス。 商業ベースで利用できるように商材を作り上げる挑戦は骨の折れる作業だが、最終的にはビジネスからひらめきが生まれる可能性がある」と評価しています。

未来に向かって歩む、走る、飛ぶ

チェンは、キックスターターに興味を示す中で、ある日初めてドローンに出会いました。 ある自作ドローンキットを見つけた瞬間、すぐさま買おうと決めました。

「作るのは楽しかったのですが、飛ばすとまもなくクラッシュしてしまいました」

その後、彼女のドローン熱は勢いを増し、インテル® RealSense™ テクノロジーを搭載した Yuneec Typhoon H、さらには 360 度可動式カメラを備え超高解像度空撮映像を撮影できる Yuneec Typhoon 4K を個人所有するまでになりました。

家の周りの雨樋 (あまどい) を調べるのにもドローンを使用。

「掃除をすべきかどうか確認するのに、はしごを持ってきて登る必要も全くなくなりました」とチェン。

また、もっと多くのカップルが結婚式の撮影にドローンを使うようになるだろうと考えるチェンは、

「披露宴全体の写真を撮ろうとするとき、写真係が全員を写真に収めようと椅子の上に立ちますよね? ドローンがあれば、いとも簡単にできます。 正確に全体像が捉えられますからね」と説明。

さらに、「夜空を彩る“新郎新婦よ、いつまでもお幸せに”企画はどうでしょう?

結婚式にドローン・ライト・ショーやデ ジタル花火ショーをやってほしいと依頼されるのが待ち遠しいです」とも語っています。

次世代リーダーへの刺激に

チェンは、今のリーダーの地位にあっという間に上り詰めた幹部として、若い女性に対し、自分自身が熱くなれるものを追い求めてほしいと思っています。 興味のあるテーマを見つけ出し、大きく開いた目とマインドを持ってそれに没頭します。

「インターネットは、学ぶ場所としては最適です。 Google で検索すれば、裏でどんなテクノロジーが使われているのか、ほぼすべて理解できます」とチェン。

また、優れたメンターや、ロールモデル、ポジティブな人にアドバイスや刺激を求めることが重要だとして、「あなたが興味を持つ経験を実際にしたことのある女性を見つけ、彼女たちのキャリアパスについて話を聞かせてもらうのです」と語り、 そのような人を見つけたり、刺激を受けたりするために、ネットワーク・イベントや業界の会議に参加することを

勧めています。

臆病や無関心になることは避けなければなりません。 かつてクラスメートがチェンをメモ魔と名付けたり、指の小さな人にうってつけの仕事を押しつけたりしたとき、彼女は積極的になるべきだと学んだのです。

「先入観を取り払うことに挑み、自分が何を考えているか周りに知らせるべきです。 屈辱的な言葉がどれほど他人を不安にさせるのか、彼らが理解できるようにするのです」と語るチェンの

最終的な目標は、1 つのチームとして働き、テクノロジーと人の創造力を使って優れた世界を作り出すことです。 それは、彼女にとって、ドローンの能力を新しい高みにまで引き上げることを意味します。

「今、大きなチャンスが到来しています。 ドローン・テクノロジーが、すでに多くの人々の生活様式にどれほど溶け込んでいるかお分かりでしょう。 私たちのチャレンジは始まったばかりなのです」とチェンは語っています。

編集者注: 詳細については、インテルのドローン・テクノロジー・イノベーションをご覧ください。

 

 

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