仮想現実

2015 年、NFL が手にした 3 つのテクノロジー

Taylor Bloom Writer, SportTechie

アメリカン・フットボールのプロリーグ NFL (National Football League) に導入された新しいテクノロジーのおかげで、ファンにとってはアメリカン・フットボールがますます魅力的なスポーツになるとともに、より一層選手の安全が守られるようになってきています。

デジタル・テクノロジーがものすごいスピードで私たちの暮らしに影響を与えるようになる中、NFL もその勢いをただ傍観しているわけではありません。

将来を見据えて新しいテクノロジーを果敢につかみ取り、積極的に利用している NFL は、今、世間の大きな注目を集めています。

クォーターバックのトレーニング、プレイヤー・トラッキング、試合中継。この 3 つが、テクノロジーによって大きく変わろうとしているのです。 NHL ファンは 2015 年シーズンの開幕以降、従来とは大きく異なる試合を目の当たりにしてきました。

今シーズン、NFL に影響を与えた 3 つのテクノロジーをご紹介しましょう。

仮想現実

NFL が導入した技術革新の中で最も興味深いのは、仮想現実 (VR) を利用したクォーターバックのトレーニングでしょう。 NFL のチームは、VR ヘッドセットをクォーターバックに装着させてトレーニングを行うことで、肉体的に負荷の高い練習を必要以上に課さずに済むというわけです。

しかも、VR なら、試合相手の最新プレイ映像を見る代わりに、 選手は仮想現実を活用したシミュレーションによって、その試合をフィールド上で追体験できます。

ヘッドセットを使えば、クォーターバックをケガなどから守ることもでき、リスクを負わずにプレイを改善できるため、どちらの使い方もチームにとっては魅力的です。 しかも、新しい団体協約では練習時間の制約がありますが、VR の使用時間についての規定はありません。

ペイトリオッツ、フォーティーナイナーズ、バッカニアーズ、バイキングス、カウボーイズ、イーグルスは、今年のオフシーズンのうちに VR テクノロジーをいち早く導入しました。

NFL チームに新しい VR テクノロジーを提供する企業としては、現在、STRIVR LabsEON Sports VR の 2 社が競合しています。が、 どちらも、アメリカン・フットボールの試合方法を変革する可能性を秘めています。

EON Sports VR の CEO であるブレンダン・ライリー氏はこう語っています。「VR があれば、プレイブックに戦術を書き込む必要はありません。VR が戦術に命を吹き込んでくれるからです」

プレイヤー・トラッキング

ファンタジー・リーグの人気が高まるにつれ、ファンは選手のパフォーマンスの追跡にますます興味を持ち始めています。 それゆえ、NFL が、フィールド上の公式プレイヤー・トラッキング・プロバイダーZebra Technologies を指名したことも、驚くに値しませんでした。
※ NFL の全チームの中から好きな選手を選んで仮想チームを編成。実際の試合での選手の成績に応じて仮想チームにポイントが加算され、そのポイントで成績や勝敗を競い合うゲーム。

今シーズン、ロンドンのウェンブリーを含むすべての NFL スタジアムが、Zebra 社の RFID システムを導入しました。 全チームの選手の肩パッドに内蔵されたワイヤレス・トラッキング・テクノロジーが RFID システムと通信し、ファンに選手のリアルタイムな動きを提供する仕組みです。

このようにウェアラブル・デバイスと RFID システムとが連携することで、ファンは自宅に居ながらいわゆる「次世代統計」を入手できるのです。 統計情報には、試合ごとのプレイヤーのスピード、距離、移動方向に関するリアルタイムな情報が含まれています。

これらの統計情報は、Xbox One* および Windows® 10 向けの最新の NFL 2015 アプリでアクセスでき、アプリの全試合リプレイ機能の一部として入手できるようになります。

Wired 誌で、「1 ヤードのタッチダウン・ランのような展開なら、次世代統計は全く必要ありません。しかし、ロングパスのようなプレイは、本当に目を見張ります。私たちは少しだけ特別なソースを提供したかったのです」と語るのは、Microsoft 社エグゼクティブ・プロデューサーのトッド・スティーブンス氏です。

特別な恩恵を受けているのはファンだけではありません。

NFL は、各チームが Zebra 社の技術を活用し、試合中や練習中にセンサーで収集したデータを利用できるようになることを目指しています。 トレーナーにとっては選手の健康管理にこうした情報を役立てることができ、コーチにとっては、レギュラーシーズンの出場選手を決める際の判断材料が増えることになります。

とはいえ、このテクノロジーはまだ初期段階にあります。

今期は、導入後初めてのシーズンであるため、データ収集能力の可能性を完全には把握し切れてはいません。 コーチ、スカウト、本部の人事担当が統計分析を行い、選手たちの過去のデータパターンを定義するまでには、数シーズンはかかりそうです。

Zebra 社は、あらゆる試合のあらゆるプレイを今後も継続的に測定していく予定で、ファンは新たに提供される映像や情報を、休日の日課の 1 つとして楽しむことができます。

試合に新たな視点を与える Pylon Cam

革新的な新しいカメラの登場により、今シーズンの放送番組もテクノロジーの導入には非常に前向きです。

Pylon Cam」は、ゴールラインに設置するために独自開発されたパイロン型カメラです。高解像度カメラを多数搭載し、サイドラインの端からエンドゾーンに至る平面を見下ろすように全景を録画します。

ESPNCBS は、Pylon Cam で撮った映像を放送に使用。NFL は、パイロンの周りで重要なプレイがあった場合に、この映像で確認しています。

Pylon Cam のテクノロジーは新しいものではないものの、制約もあります。

ESPN のジェイ・ロスマン氏によると、「これはライブカメラではなく、再生映像を見るためのカメラだ」と言います。

マンデー・ナイト・フットボールのプロデューサーを務めるロスマン氏は、LA Times にこう語っています。 「このカメラは、フロリダ州タンパで行われたファーストシリーズのプレシーズンゲームで導入され、 その第 2 試合で使用したのですが、ジェームイス・ウィンストンのタッチダウンの映像を確認するのに役立ちました」

なんらかの制約があるとしても、試合中、フィールドの近くにカメラを設置することは、非常に意味のあることです。 アメリカン・フットボールの試合はインチの差で決まります。さまざまな角度からプレイを確認できるということは、フィールドにより多くの目があるのと同じことだからです。

ロスマン氏も同じ意見です。

「このカメラは、エンドゾーンの四隅やゴールラインに注目が集まるような重要な場面で重宝するでしょう」

 

* その他の社名、製品名などは、一般に各社の表示、商標または登録商標です。

 

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