テクノロジー・イノベーション

人間のような視覚を持つスマートドローン時代へ

Ken Kaplan Executive Editor, iQ by Intel

画像認識技術が、Yuneec 社の Typhoon H (インテル® RealSense™ カメラ・テクノロジーを搭載した初の個人向け無人航空機) に衝突回避機能やワンランク上の自律飛行機能をもたらします。

昨年公開されたドローンのプロトタイプで提案された機能が、今年のドローンではマストな機能になっています。つまり、人間が持つのと同じような視覚です。

国際コンシューマー・エレクトロニクス・ショー CES 2015 で、Ascending Technologies 社は、画像認識技術を搭載した無人航空機 (UAV) が静止している物や動いている物を回避しながら、卓球をしたり、ドローンゲームをしたりする様子を実演しました。 その 1 年後、ドローンファン待望の初のインテル® RealSense™ カメラ搭載 UAV、Yuneec Typhoon H の発売が決まったのです。Typhoon H の初回出荷分は、2016 年前半に 2,000 ドル (約 24 万円) 未満で発売される予定です。

CES 2016 の基調講演で、インテル CEO のブライアン・クルザニッチは、実演を通じて、インテル® RealSense™ テクノロジーとインテル® Atom™ プロセッサーを搭載した UAV が、ドローン体験を新たな次元へと高めるだろうとアピールしました。Typhoon H は、基調講演の壇上からマウンテンバイク・ライダーを追いかけながら障害コースに入り、障害物を検知しては回避し、飛行軌道に何かが現れてもリアルタイムでインテリジェントに軌道を調整してみせたのです。

「これは、コンシューマー・ドローン向けの世界で最も進んだ衝突回避システムです。

このドローンは周囲の環境を完全に把握し、障害物にリアルタイムで対処します。

スポーツやその他のイベントで、用途が無限に広がっています。私たちは今まさにデジタル革命を迎えようとしており、このテクノロジーは新たな体験を生み出す原動力になるでしょう」とクルザニッチ。

米国のベンチャーキャピタル Kleiner Perkins Caufield & Byers のパートナーであるトレンド・ウォッチャーのメアリー・ミーカー氏によると、ドローンの売上は毎年 170% 増加していると言います。 この現象がドローン経済の飛躍的な成長を生み出し、多くのビジネスユーザーやコンシューマーがドローンを使用するようになっているのです。

事実、世界各国で規制やプライバシーに対するさまざまな懸念はありつつも、新世代の農業経営者、趣味に熱中する人、アーティスト、映画製作者、社会変革活動家たちが UAV の新たな用途を切り開いています。

「Typhoon シリーズは初心者パイロット向けに開発されています。上級パイロットになる自信を与え、優れた動画や写真を直感的に撮影できるようにパイロットを育成します」と、Yuneec USA の CEO、シャン・フィリップス氏。

軽量な Typhoon H は、6 基の折り畳み式ローターと取り外し式プロペラ、360 度ジンバル、4K 動画 / 1,200 万画素静止画カメラ、伸縮式ランディング装置を装備し、カスタムデザインのハードケース / バックパックに収納できます。

インテル® RealSense™ カメラ・テクノロジーを追加したことで Typhoon H は新たな機能とワンランク上の安全性を手に入れただけでなく、誰でも障害物を回避しながら、驚くべき瞬間を撮影できます。

「森の中を飛行させても、木や人にぶつかる心配はありません。最高の映像を撮影するという作業に集中できます」(フィリップス氏)

ベン・ポッパー氏もニュースサイト The Verge の記事でこう述べています。「このテクノロジーが製品化されれば、プロアマ問わず、あらゆるパイロットにとって魅力的な製品になるはずです。競争の激しい市場でこのドローンが選ばれるのは間違いないでしょう。ここまで強力な検知および回避機能を持った製品はありませんでした」

また、フィリップ氏は、Typhoon H が真の一体型ユニットであることに言及。

「Typhoon H には、Orbit、Journey、Point of Interest、Curve Cable Cam など、新たなタスクモードが用意されており、オペレーターはこれらのモードを外付け機器なしで使用できます」と説明します。

彼のチームは、あらゆる物に適切に対処できるようにカメラセンサーとソフトウェアを徹底的にテストして微調整したと言います。

「一晩で画期的な製品を開発できれば苦労しませんよ」とフィリップス氏。

インテルによる 6,000 万ドル (約 70 億円) の投資と緊密な連携により、Yuneec は大手ドローンメーカーの 1 社になりました。

インテル® RealSense™ テクノロジーの検知 / 回避機能の細部は、インテルが最近買収したドイツ企業 Ascending Technologies 社による自動操縦ソフトウェアとアルゴリズムが支えています。

「インテル® RealSense™ テクノロジーは画期的です。超小型モジュールでありながら、3D ステレオの根本的な問題を解消し、メイン・プロセッサーへの負荷を最小限に抑えます。

このため、比較的処理能力が低い複数のセンサーを使用し、処理能力の多くを障害物回避に回すことができます」と、Ascending Technologies 社 CEO、ジャン・シュトゥンフ氏は説明します。

彼が、「異なるセンサーや荷重を常に追加することで、可能性を広げてきたのです」と語るように、Ascending Technologies 社は長年の間、メーカーや大学、研究機関と Research Line UAV を共有することで、貴重な発見を積み重ねてきたのです。

シュトゥンフ氏によれば、無限の可能性を秘めた UAV は優れたツールですが、成功のカギは使いやすさだと言います。障害物回避などの自動機能を追加することで、使いやすさが向上し、画像認識技術を活用した用途に広がりが生まれ、さらに利便性が高まります。

「最終的な目標は、視界から外れても安全に飛行し、複数のドローンを 1 人のオペレーターが操作できるような、自律性が高くハイレベルな作業をこなせるドローンを開発することです」(シュトゥンフ氏)

 

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