ゲーム

仮想現実の仕組みに迫る

Kevin Ohannessian Author, Kill Screen

3 人のエキスパートが、人をさらに没頭させる新しいゲームと周辺装置について解説します。

言うまでもなく、ゲームは常に変化し続けなければなりません。 ビジュアル・コンピューティングの進歩や、「 Oculus Rift (オキュラスリフト)」に代表される VR ヘッドセットなどの周辺装置が、プレーヤーをゲームに没頭させるインタラクティブでリアルな体験をもたらそうとしています。 それは、超リアルな SF を目の前で見ているような感覚です。

インテルのビジュアル・コンピューティング・グループのコンテンツ戦略ディレクター、キム・パリスターは、「仮想現実 (VR) とは、さまざまなテクノロジーを駆使して、現実世界とは異なる環境にいることを忘れさせる仕組みです」と説明します。

新世代コンピューター・ゲームの 1 つである「Edge of Nowhere」は、Oculus Rift ヘッドセット向けに開発されたもので、 プレーヤーがモンスターに支配された南極へと送りこまれるアドベンチャー・ゲームです。

2016 年第 1 四半期に発売予定の VR ヘッドセット。この製品によって、すべての人が臨場感あふれるゲームをプレイできるようになります。 大型のパッド付きゴーグルとヘッドフォンで構成された Oculus Rift は、側頭部と頭上のストラップで頭に固定。視覚を忠実に再現するように設計されており、映画やゲーム、仮想現実体験の質が飛躍的に向上します。

VR では、プレーヤーは正面のフラットな画面を見るのではなく、ヘッドセットを通じて世界を認識します。小さな画像を左右の目で別々に捉え、脳がその 2 つの画像を 3 次元の世界に統合するのです。

レンズによって画像が拡大されるため、プレーヤーは正面にある四角い世界をテレビ画面とは異なる感覚で見ることができます。

四角い画面は視界一杯に広がるように表示されます。 しかも、画面がプレーヤーの頭に固定されているため、プレーヤーの動きに合わせて画像も動きます。

通常のテレビ放送が 30 フレーム/秒 (FPS) で配信されているのに対し、現在のゲームのフレーム数は 60 FPS。 さらに VR では、90 FPS または 120 FPS で映像を表示することで、あたかもその場にいるようななめらかな映像体験を実現しています。

「装着者の目に一番に飛び込んでくるのは、ステレオ 3D 画像です。それを目や頭の位置、向きが変わるたびに変化させるのです。例えば、頭を下に傾けて床を見ると、視界も下に移動して床が表示されます」とパリスターは説明。

こうすることで、装着者は実際に自分の頭を回しているような感覚になります。仮想の空を見上げたり、仮想のバイクに乗りながら背後を見たりすることもできます。

「あまりに反応が自然なので、ヘッドマウント・ディスプレイを着けていることを忘れてしまうほどです」とパリスター。

今後発売される初の VR ゲームの 1 つに「The Gallery from Cloudhead Games」があります。プレーヤーが不思議な世界を冒険しながら謎を解いていくアドベンチャー・ゲームです。

「この VR ハードウェアについて、私はスタートレック・シリーズに登場する第 1 世代の『ホロデッキ』に近いものだと説明しています。この説明を納得してもらうには、やはり実際にヘッドセットを着けてもらい、ウォーキング・ボリュームやハンド・コントロールを体験してもらうしかありません」と、ゲーム開発会社 Cloudhead Games のクリエイティブ・ディレクター、デニー・アンガーは語ります。

初めの VR ヘッドセットは HD 解像度でスタートしますが、近いうちにさらに高解像度の後継機が登場し、より緻密な表現が可能になるでしょう。業界のエキスパートは、今後 2、3 年以内に HD 解像度から 4K さらには 8K にまで進化するだろうと予想しています。それだけの高解像度でスムーズに稼動させるには、十分な処理能力も必要です。

VR は技術要件が非常に高く、古いコンピューター・テクノロジーでは処理しきれません。 例えば、Oculus Rift の初期バージョンでは、以下の要件を満たすコンピューターが必要です。

一部のヘッドセットは、カメラなどの外部センサーを使ってプレーヤーの体の動きを追跡することで、よりリアルな感覚を再現します。 プレーヤーは、床にあるものをかがんで見たり、車窓から身を乗り出して景色を見たりすることもできます。

画面はもはや静止画像ではなく、 コンピューターによって創り出されるリアルな仮想世界を表現するツールです。

センサーはプレーヤーのみでなく室内の様子も追跡。プレーヤーが部屋の中を歩き回ると、その動きに応じて画像も変化し、仮想世界を歩いているような感覚が得られます。

アンガーによると、VR 画像を本物のように見せるには、ソフトウェアの非常に微妙な調整が必要になると言います。 例えば、レンズが目の前にある景色を正しく捉えるためには、画像をゆがませる必要があります。 また、動きのあるグラフィックがぎくしゃくしたり、プレーヤーの目が回らないようにするためには、画像をスムーズに表示しなければなりません。

「ディスプレイのリフレッシュ・レートとゲームのネイティブ・フレーム・レートがともに 90 FPS を超えると、不思議な現象が起こります。

『臨場感』と言えばよいでしょうか。明らかに現実ではない映像に現実感が生まれるのです。 言葉で説明するのは難しいですが、実際に見ればすぐに理解できるはずです」とアンガー。

センサーでプレーヤーの手の動きを読み取り、仮想オブジェクトを手でつかんでコントロールする。こうした感覚を実現する製品もあります。

前述の「The Gallery」では、プレーヤーはアドベンチャー・ゲームの先駆けである「Myst」のように謎を解いていきます。

しかし、かつてのようにコンピューター画面にかじりついて、カーソルを延々クリックし続けるようなゲームスタイルとは全く異なります。プレーヤーは世界中を移動しながら、さまざまな景色の中を実際に歩き回り、パズルをのぞき込み、Vive (HTC 社の VR ヘッドセット) のモーション・コントロール機能を使ってオブジェクトを操作できます。

パリスターは、コンピューター画面に表示されるゲームや映画の視覚情報と VR を比較して、こう語ります。

「2D 作品の製作者たちは、『ストーリーをリアルに表現するためにベストを尽くしました。ぜひ不信感を取り払って観てもらいたい』と言うでしょう。

これが VR になるとどうでしょうか。おそらく『観る人に非現実だと気付かせてしまう要因は何なのかを検証し、 現実世界と仮想世界の見分けがつかなくなるまで、そうした要因を 1 つずつつぶしていきます』と言うでしょう」

成功した家電製品と同様に、VR も新たな機能や能力を付加しながら進化を続けています。アンガーは、「最終的には、眼球の動きや表情、さらには唇の動きまで追跡するテクノロジーが一般的になっていくでしょう」と予測。

仮想世界はより一層現実感を増し、プレーヤーは仮想世界でよりリアルに行動できるようになります。 こうした本物そっくりの表現が魅力的な体験を生み出せば、携帯電話のような爆発的な普及をもたらすかもしれません。

「『優れた VR』にはまぎれもなく人を引き付ける力があり、さまざまな分野で消費者の強いニーズがあると考えられます。

その用途は果てしなく広がっています。仮想現実の活用がエンターテインメント、教育、トレーニング、旅行、研究、社交の場にまで普及する日も近いでしょう。 VR が、私たちの暮らしに大きな影響を与えるテクノロジーになるのは間違いありません」(アンガー)

* その他の社名、製品名などは、一般に各社の表示、商標または登録商標です。

 

Share This Article

Related Topics

ゲーム

Read This Next

Read Full Story