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ゲームキャラの元祖、ドンキーコング&マリオ生誕35周年

Dean Evans Technology Writer Twitter

35 年前の 1981 年 7 月 9 日、任天堂からアーケードゲーム「ドンキーコング」が発売され、悪役ゴリラと大工のヒーローが世に知られるようになりました。しかし、宮本茂氏がデザインした「ジャンプマン」が後にマリオと呼ばれ、「マリオブラザーズ」から「マリオパーティー」に至るまで数々のゲームソフトで主役を務めるようになり、実写映画ではボブ・ホスキンス氏によって演じられ、世界で累計 5 億 2,800 万本以上のゲームを売り上げることになろうとは、当時は誰も想像していませんでした。

初期のビデオゲームでは、「ブレイクアウト」に代表される機械的なブロック崩し、「ディフェンダー」や「アステロイド」などに登場する宇宙船、「スペースインベーダー」で操作する移動砲台などが使われていたのに対し、「パックマン」や「ドンキーコング」では、初めて感情移入できるキャラクターが登場したのです。

私たちが、1982 年発売の面クリア型アクションゲーム「Mr Do!」の主人公ミスタードゥや 1982 年発売のパズル系アクションゲーム「Q*bert」に登場する Q バートといった古き懐かしきゲームヒーローを思い出すのも、はたまた、その後のビデオゲームに登場するリンク、ソニック、クラッシュバンディクー、ララ・クロフト、マスターチーフといったキャラクターたちが長く愛され続けているのも、感情移入できるからでしょう。

その中でも、おそらくマリオほど有名なキャラクターはいないでしょう。当初は「ミスタービデオ」と呼ばれ、配管工ではなく、大工の設定でした。「ドンキーコング」の舞台は、危険な建設現場だったのです。マリオのキャラクター・デザインについて言えば、その多くが偶然の産物でした。マリオという名前は、米国任天堂で倉庫係を務めていたマリオ・セガール氏にちなんだもので、マリオの特徴的な風貌は、1980 年代の限られた画像技術に対応できるよう考え出されたものだったと言います。例えば、帽子をかぶっているのも、実は髪の動きを表現しなくて済むためだったのです。

マリオがこれほどまでにたくさんの人々の心をつかんだのはなぜでしょうか。迫ってくる小惑星を破壊しながら進むゲーム「アステロイド」に登場する三角形の自機にはなかったような個性を、単純なピクセル画で表現したからでしょうか。いいえ、それだけではありません。もちろん、「ドンキーコング」のゲームプレイで、「哀れな乙女」を救いに行く忍耐強さが際立っていたからでもありません。マリオは、運に見放されながらも難問が山積みの状況に追い込まれます。転がってくる樽を飛び越したりハンマーを振ったりと悪戦苦闘します。人々は、そこに自分を投影するのでしょう。

だからこそ、画面のマリオが、敵にやられて回転しながら息絶えるとき、まるで自分のことのように心が痛むのです。

しかしそれも昔の話です。今はもっと複雑な時代です。35 年の時を経た今でも、大幅にリメイクされた「トゥームレイダー」のララ・クロフト、「マインクラフト」のプレーヤーなど、忘れがたいビデオ・ゲーム・キャラクターは健在です。「ポケモン GO」では、フシギダネやヒトカゲ、ゼニガメも帰ってきました。

最近発売された「オーバーウォッチ」などのゲームには、幻想的なキャラクターが登場する一方で、「FIFA」や「ウィニングイレブン」などのゲームは非常にリアルで、世界レベルのサッカー選手たちを驚くほど細部にわたって見事に再現しています。

業界の最先端をいく Frostbite 3D エンジンを使って選手を詳細に描画しているサッカーゲーム「FIFA 17」

「キャラクター」の概念もまた、長い年月を経て変化してきました。キャラクターは、あらかじめデザインされたものから、自分で生み出し、プレイの中で作り上げていくものへと変わってきています。

「コールオブデューティ」や「バトルフィールド」のようなマルチプレーヤー FPS ゲーム (一人称視点の対戦アクションゲーム) では、自分でビデオゲームの登場人物を定義して、間近で対戦することができます。また、「フォールアウト」、「スカイリム」、「マスエフェクト」といったゲームでは、キャラクターをカスタマイズできます。現実世界での自分の容貌に似せたアバターを作る人もいれば、顔に傷のある、タトゥーを入れたヒーローになる人もいます。プレーヤーが望むなら、金髪のモヒカン、太鼓腹だって選べます。

1981 年に、「ドンキーコング」はマリオという愛すべきキャラクターを提供し、ストーリーの中に、ガールフレンドのポリーンを助けるという単純な目標を設定しました。今日では、既定の設定からキャラクターを成長、進化させ、プレイのやり方に合わせて、満足のいく分身を作り出すことができます。こうしたゲームでは、キャラクターを作り上げていくプロセスそのものがストーリーになります。特権、レベル、新しい能力、武器のアップグレードなどが、ゲームの醍醐味となるのです。

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Blizzard Entertainment 社初の FPS ゲーム「Overwatch」には、銃を持った悪漢マクリーを含むさまざまなキャラクターが勢ぞろい。

「ドンキーコング」の功績は多大です。「ドンキーコング」が道を切り拓いてくれたおかげで、素晴らしいビデオ・ゲーム・キャラクターたちが生まれたのです。「ズールのゆめぼうけん」に登場するズールや「パーフェクトダーク」のジョアンナ・ダーク、「リトルビッグアドベンチャー」に登場するトゥインセンなどは、もしかしたらご存じないかもしれませんが、ダーク (「ドラゴンズレア」シリーズの主人公)、ゴードン・フリーマン (「ハーフライフ」シリーズの主人公)、マーカス・フェニックス (「Gears of War」の主人公) などはよく知られています。

ララ・クロフト、ネイサン・ドレイク、リコ・ロドリゲスなどの、リアルなヒーローがもてはやされる時代です。もしかしたら、マリオのようなキャラクターには、この先二度とお目にかかれないのかもしれません。

メイン画像提供: Alexisrael/Wikimedia Commons

 

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