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インテル® TRUE VR で実現するバーチャル PGA ゴルフツアー

Shawn Krest Writer, Movable Media

VR ライブ配信技術、TPC ソーグラス伝説の 17 番ホールでデビュー

米国フロリダ州ポンテベドラ・ビーチにあるゴルフ場、TPC ソーグラスの 17 番ホールは、ゴルフ界で最も注目されるホールで、野球で言えば、リグレーフィールド (シカゴ・カブスが本拠地としている野球場) やフェンウェイ・パーク (ボストン・レッドソックスが本拠地としている野球場) といったところです。この小さくて奇抜なホールは、観客にとってはエキサイティングでも、プレーヤー泣かせの超難関ホールです。

「このホールの素晴らしさは、ここで必ず何かが起こるという期待感にほかなりません。そう、必ずドラマが生まれるのです」と米国の放送局 NBC のエクゼクティブ・プロデューサーであるトミー・ロイ氏は語ります。

今年のプレーヤーズ・チャンピオンシップでは、ファンの目の前で、その「ドラマ」が前例のない迫力で繰り広げられることになりそうです。インテル® True VR テクノロジーと PGA (米国男子プロ・ゴルフ・ツアー) の提携により、トーナメントの全 4 日間、この 17 番ホールの様子を、360 度ライブ動画とバーチャル・リアリティー (VR) で視聴できることになったのです。

ドラマを VR で体験

インテル® True VRのゴルフデビューに、これほどふさわしい舞台がほかにあるでしょうか。わずか 137 ヤードしかない 17 番ホールは、PGA ツアーの中では最も短いコースでありながら、周りを池に囲まれたグリーンのせいで、最難関ホールの 1 つとされているのです。

インテル® True VR カメラが設置された PGA プレーヤーズ・チャンピオンシップの伝説の 17 番ホール

3 機のインテル® True VR のカメラリグは、それぞれ 12 台のカメラを搭載。17 番ホールの見どころに設置され、コース内のあらゆる動きを捉えます。

この 17 番ホールで最も重要となるのはズバリ、グリーンを囲む池。

インテル・スポーツ・グループのマネージング・ディレクター、ディビッド・アウフハウザーは、「ファンがどんな角度からでもプレーを観ることができるよう、カメラの 1 台は池の中に設置します。ファンの目には、まるで池に浮かべたボートから観戦しているかのように映るはずです」と語り、さらにこう続けます。

インテル® True VR チームのブレイク・ロー。ソーグラス・オープンの 17 番ホールの池の中でインテル® True VR カメラを確認中。

「視聴者は、コース上のショットが次から次へと映し出される VR 放送を楽しむこともできます。これなら自分の好きなアングルを選んで観るか、ゆっくり座って VR 放送を観るかを自由に選べます」

数々の伝説

TPC ソーグラスの 17 番ホールは、過去のプレーヤーズ・チャンピオンシップにおいて多くのドラマを生み出してきました。

「まるで 3 時に歯医者の予約をしているような気分だよ。朝からずっとそのことばかり気になって、一日中憂鬱な気分で過ごすことになるし、その時間は遅かれ早かれやってくるってわけさ」と言うのは、往年の PGA のトップ選手、マーク・カルカベッキアです。彼はツアーを 13 回制覇したにもかかわらず、ソーグラスでは勝ったことがありません。

2001 年、ここで 60 フィート (約 18 m) のパットを決めたのは、タイガー・ウッズです。彼の打ったボールはグリーン上をうねり、蛇行しながらゆっくりとカップインしていきました。その伝説のパットのおかげで、ウッズは 17 番ホールをバーディーに収め、最終的に 1 打差でソーグラスの勝利を勝ち取ったのです。

2007 年にはショーン・オヘアがトップに 2 打差で追い上げ、奇跡の逆転劇が期待されていたものの、この 17 番ホールで 7打を叩き、期待は見事に砕かれました。

さらにその翌年には、ポール・ゴイドスの打ったボールがグリーン手前の池に落ち、セルヒオ・ガルシアに勝利を譲ることになりました。

Golf Unfiltered というウェブメディアとポッドキャストを運営するアダム・フォンセラ氏は、「ソーグラスの 17 番ホールは、コアなゴルフファンでなくても知っているほど伝説のホールです。VR で最初に体験したいホールはどこかと尋ねられたら、あの浮島のグリーン以外には思いつかないですね」とコメントしています。

ゴルフ中継の難しさ

インテル® True VR (旧称 Voke VR) は、NCAA (全米大学体育協会) バスケットボール・トーナメントに加えて、アメフト、コンサート、ファッション・ショーなどあらゆるイベントを放映してきました。しかしこの技術をゴルフに適用しようとした時、ゴルフ中継特有の難しさに直面したのです。

「バスケットボールのコートはどこもみな同じです。サイズも同じだし、あらゆるものが同じように配置されていますが、ゴルフは違います。それぞれのコースには特徴があって、コース内のホールの切り方もみんな違っているのです」とアウフハウザーは指摘します。

さらにボールもバスケットボールなどに比べると非常に小さく、かつ高く、遠くまで飛んでいきます。インテル® True VR の機材はそれらのショットを追いかけることができるのでしょうか? 2月に実施されたジェネシスオープンでのテストの様子をご覧ください。

2017 年 2 月 15 日、リビエラ・カントリークラブで行われたプロとアマチュアが参加したジェネシスオープンでのテストの模様

「この技術をいかにうまく使いこなせるかどうかがすべてでした。例えば、どのカメラアングルがベストか、といったことです。我々は、このテストを概念実証と学習の機会として位置付け、学べることはすべて習得し、ソーグラスの中継現場に検証結果を適用しました」とアウフハウザーは振り返ります。

ファンに受け入れられるか

2月の検証結果から、ゴルフにも適用できる技術であると確信したものの、ゴルフファンにこの技術が受け入れられるかどうかが問題でした。

技術と製品には自信を持っていたアウフハウザーでしたが、トーナメントが近づくにつれ、頭を悩ませていたと言います。

「できるだけ多く人に観てもらいたいと思っていましたが、いったい何人くらいが観てくれるのだろうか? どうやって観るのだろうか? どのシーンを観てくれるのだろうか? 気に入ってもらえるだろうか? こうした経験を楽しんでもらえるのだろうか? 何が求められているのだろうか? と、心配事は次から次へとやってきました」

ほとんどの最新放送技術がそうであるように、現時点でどのようなことが可能なのかをファンに提示することが大切です。ビデオ判定の技術が出てきたときもそうでした。

Golf Unfiltered のフォンセラ氏はこのように語っています。
「テレビのイベント放送は今後 VR へ移行していくのかもしれません。ゴルフも例外ではありません。ゴルフ中継の技術も近年格段に進歩してきましたし、VR が次のステップであると考えるのは当然でしょう。快適なリビングルームにいながら、実際にソーグラスでゴルフを観戦しているかのような体験などしたくない、などと言う人がいるはずありません。これは、ゴルフトーナメントに足を運ぶことなどなかった全く新しい視聴者層に、PGA ツアーの雰囲気を味わってもらう最高の方法になると思います」

 

 

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