テクノロジー・イノベーション

アートの新境地「顔面プロジェクション・マッピング」

Deb Miller Landau iQ Managing Editor

浅井信道氏は、コンピューター・グラフィックスと顔面プロジェクション・マッピング、トラッキング技術を駆使して、顔面アートの新たな芸術形態を創出。デジタル・メイクアップで人間の顔がコンピューター・グラフィックス作品に生まれ変わります。

人間の顔は、メイクアップひとつで美しくなるのはもちろん、魅力的にも、セクシーにも、はたまた滑稽にも、不気味にもなります。メイクアップ・アートもデジタルの時代。3D 顔面プロジェクション技術で、トラの縞模様やヘビ革模様、流れ落ちる滝や咲き誇る花の化粧を施す日も遠くはなさそうです。

人の顔をキャンバスに見立ててイマジネーションを広げる顔面プロジェクションは、アーティストでもあり科学者でもある浅井信道氏による実験的アートです。顔のカーブや目鼻だちを魅力的なステージとして、いきいきと変幻自在に動く画像を映し出します。

日本とロンドンを本拠地とする浅井氏と WOW のチームは、インテルの協力のもと、アートに数々のコンピューター処理を加え、顔面プロジェクションの限界を広げてみせました。

「テクノロジーで最も興味深いのは、不可能が可能になること。創作を始めるときは、わくわくします」

と語る浅井氏にとって、人間の顔は、映像作家にとっての大型スクリーンのようなものです。モデルの鼻、口、眼窩 (がんか:眼球の入っているくぼみ)、顎、顔の形状を正確に読み取り、モデルの顔をキャンバスに見立てて、極めて複雑なメイクアップ・アニメーションを描いていきます。

顔の厳密な輪郭を把握することで、顔面にぴったりのデジタル・アニメーションをマッピングできるのです。部族のお面、滝のような涙、石のコラージュなど、デジタルの皮膚はあらゆるプログラムが可能です。科学に造詣が深い浅井氏は、テクノロジーを利用してアイデアを昇華することに強い関心を寄せたのです。

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インテル・マーケティング部門のテクノロジー・ディレクター、ポール・タップはこう説明します。「太古の昔から、人間は技巧を凝らし、さまざまな色や模様で顔を美しく飾ってきました。

浅井氏は最新テクノロジーを使って、制約のない独自の方法で顔を装飾しています。それは全く自由な表現方法です。顔を 3D キャンバスに見立て、かつては不可能だったような細かい装飾を施すのです」

Facial projection technology

さらに、「もっと驚いたのが、そのキャンバスにアニメーションを投影できるということです。これを最初に手がけたのが浅井氏です。さらに、ここに高度な顔面追跡テクニックを組み合わせることで、顔がどんな位置に移動してもどんな表情になっても、アニメーションを顔に完全に調和させることができます」とタップ。

浅井氏はまずモデルの顔を 3D スキャンし、メイクアップでさまざまな容貌を作ったあと、写真測量という技法で保存します。これらの写真は、3D モデルを作成するためのベースになります。

「顔の細かい部分まで完全に 3D データ化することが重要です。コンテンツが 2D だと、投影時に間延びしたり歪んだりしてしまうからです」とタップは説明します。浅井氏は、ノーメイクのモデルに赤外線マーカーを付け、5 台の赤外線カメラでマーカーを捉えて追跡。

さらに第 6 世代インテル® Core™ i7-6700K プロセッサー搭載の超高速コンピューターが、この追跡データを組み合わせて、モデルの顔の適切な位置や表情に収まるようにデジタルで表現された皮膚を調整するのです。

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「追跡アルゴリズムから計算した高精度なデータに、適切な画像を瞬時に作成できる応答性の高い PC を組み合わせると、顔面に本物の皮膚そっくりの“仮想タトゥー”を投影できるようになります」(タップ)

浅井氏は、テクノロジーとアートを融合させることは、生活に自然を採り入れるために欠かせない革新的な方法だと考えます。

「作品を見る人の喜ぶ顔やわくわくした顔がうれしいですね。もっといいものを作ろうという励みになります」と浅井氏は語っています。

編集者より:この驚きの新体験シリーズでは、コンピューター・テクノロジーの活用による素晴らしい体験をご紹介していきます。 コンピューター・テクノロジーが、科学、メーカー・ムーブメント、ファッション、スポーツ、エンターテインメントなどに新たな体験や発見をもたらすストーリーをお楽しみください。 これらのストーリーを支えるテクノロジーは、驚きの新体験で詳しくご覧いただけます。

 

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