仮想現実

革新的なプロダクト 4 選!DMM.make Akibaから巣立つ精鋭メーカーズ

Intel Japan Writer

設備総額 5 億円の本格機材が導入された、モノづくりの拠点「DMM.make AKIBA」。日本のメーカーズ・ムーブメントの先駆けとして、製品開発に必要な機材を利用するためのハードルを大きく下げました。設立から 1 年弱が経過し、その場に集まった個人やチームのアイデアが次々とカタチになっています。そんな DMM.make AKIBA を拠点とした、または拠点としたことのあるハードウェア・スタートアップから、注目の 4 社 4 製品を紹介します。(文:土橋克寿)

・ 眼球の動きで感情を操作!? 日本発の VR ヘッド・マウント・ディスプレイ FOVE

1_FOVE

VR 端末といえば、ヘッド・トラッキングやハンド・トラッキングを用いて動きを検知するのが一般的。日本発の VR ヘッド・マウント・ディスプレイ(頭部装着ディスプレイ)FOVE は、VR 端末に眼球の動きを捉えるアイ・トラッキング機能を内蔵して注目を集めました。例えばシューティング・ゲームに視線追跡技術を取り入れた場合、視線を動かすことで照準を動かしたり、注視することで弾を発射させたり、感情を込めることで相手キャラクターの注意を引いたりすることができます。

FOVE の可能性はゲームに限りません。寝たきりの人が視線だけでロボットを操作したり、視線を鍵盤上で動かすだけでピアノ演奏を行ったりと、コミュニケーションや自己表現の幅を大きく広げられます。DMM.make AKIBA エバンジェリストの岡島康憲氏(以下、岡島氏)は「クラウド・ファンディングで多くの支援を集め、アメリカ進出を果たすスピード感から、今後の成功を期待させる」と同チームを評します。

・ キャラクターと暮らす!? ホログラム・コミュニケーション・ロボット Gatebox

Vinclu が開発を進める Gatebox は、好きなデジタル・キャラクターとの交流を楽しめるホログラム・コミュニケーション・ロボットです。ホログラム技術によって投影されたキャラクターが、ユーザーの行動を音声認識や画像認識で解析し、さまざまな反応を返します。テレビの音声起動、目覚まし、天気予報などの基本機能に対し、キャラクターが介入することで、それらを単なるコントロールからコミュニケーションへと仕上げます。

Gatebox がさまざまな家電とつながれば、まさにスマート・ホームの中心的存在になることが期待できるでしょう。そういった役割を担うプロダクトは、欧米で既に存在していましたが、そこに擬人化の要素はありませんでした。2 次元キャラクターによるサービス提供はニッチな印象を与えがちですが、スマートなコントローラーという切り口は、われわれの生活に大きな影響を及ぼす可能性を秘めています。「DMM.make AKIBA にてプロトタイピング開発をしていた Gatebox。その発表以来、世界中で大きな反響を得ています。チームも大きくなりつつあり、今後の活躍が期待できます」。(岡島氏)

・ 日常がパフォーマンス活動へ。光×動き×音で表現の幅を広げるスマート・シューズ Orphe

パフォーマンスに特化したスマート・シューズで話題の Orphe。no new folk studio が開発したこのスタイリッシュに光るウェアラブル・デバイス(靴)は、トヨタ・ヴィッツの CM で、世界的に活躍する日本人ダンサー菅原小春氏が着用、そのダイナミックなダンス・パフォーマンスは大きな注目を集めました。

百聞は一見にしかず。約 100 のフルカラー・シリアル制御 LED、モーション・センサー、Bluetooth モジュールを内蔵した Orphe は、パフォーマーの足元で幻想的な光を放ちます。LED は個別に制御され、9 軸センサーがユーザーの足の動きを細かく捉え、それらのデータはリアルタイムで処理されます。この結果、靴の向きや速度に応じて光の強弱や色の濃淡を即座に変えることができ、パフォーマンスの残像で何かしらの模様を描くことも容易になります。

3_Orphe

自らカスタマイズ・デザインした音や光、ジェスチャーの組み合わせを他のユーザーと共有できる点も、パフォーマンスの幅を大きく広げる役割を担いました。岡島氏は、「今後、アートやスポーツなどさまざまな場面で活用される製品に成長する可能性を秘めている」と期待を寄せています。

・ 腕時計感覚で付け替え可能!低価格でスタイリッシュな筋電義手 handiii

4_exiii

これまでにも、手を失った人々の腕の筋肉から電気信号を得ることで、直感的に操作可能な筋電義手は世に出ていました。しかし、それらは 150 万円以上と高額な上、ユーザー自ら修理することが困難、かつデザインの選択肢も限られていたため、筋電義手の国内普及率はわずか 1 %にとどまっていました。

そこで製造手法をゼロから見直し、低価格でスタイリッシュな筋電義手、handiii を開発したのが Exiii。部品交換の簡易化や多様なデザインへこだわりながらも、製品コストを 300 ドル以下に抑えたのです。

exiii Inc.

コスト削減のポイントは 3 つあります。1 つは電気信号のセンサリングに専用コンピューターを用いず、安価に入手可能な小型コンピューターで代替したこと。2 つ目はモーター数の削減。handiii はさまざまな形状に合わせて柔軟に曲げられる関節機構を取り入れることで、指 1 本あたりの全関節の動きをモーター 1 つでこなします。3 つ目は 3D プリンターによる外装製作を行ったこと。腕時計感覚で付け替えられるデザイン性を実現し、室内やスポーツなどの目的に応じて使い分けられるカスタマイズ性も兼ね備えました。「最新モデルは設計図などがオープンソースとして公開されることにより、世界中の開発者がさまざまな改良を加え、より良い義手に発展していくでしょう」。(岡島氏)

今回紹介したプロダクトは、大企業が本腰を入れてつくるにはニッチな領域、あるいは少し先進的といえるかもしれません。しかし、そういったモノこそが人々の心をわしづかみにする可能性を秘めているのです。日本のメーカーズ・ムーブメントから生まれたユニークな製品の数々、それらがあなたの周りを彩る日もそう遠くないのではないでしょうか。

Share This Article

Related Topics

メーカー

Read This Next

Read Full Story