テクノロジー・イノベーション

2017 年の VR テクノロジー

Jason Johnson Freelance writer and editor

テクノロジーで生を吹き込まれた、臨場感あるVR 体験の新境地に備えるには

バーチャル・リアリティー (VR) は、あらゆる種類の新たなゲーム体験を可能にしています。 2017 年が始まった今、この新たな戦場を制覇する準備ができているかを確認する絶好の時です。

「多くの人がVR 対応製品を買い、自宅に持ち帰った後で、自分の PC の性能が VR の実行には不十分なことに気づくことがあるでしょう」と、ハイエンドのゲーム PC をカスタム生産しているコンピューター製造会社、Falcon Northwest 社の社長、ケルト・リーブス氏は語ります。

多くの人は、最小システム要件を辛うじて満たしているコンピューターで、辛うじて VR を体験していますが、「Project Evo」という新しいイニシアチブでは、PC が臨場感あふれる VR 体験に必要な性能を備えていることの実現を目指しています。

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インテルのクライアント・コンピューティング・グループのシニア・バイス・プレジデント兼ジェネラル・マネージャー、ナビン・シャノイは、寄稿の中で、「コンピューティングは、より多くの素晴らしいことに対応できるよう進化しなければならないと考えています」と述べています。 素晴らしいこととは、つまり、「より洗練された音声操作、あらゆる人のためのバーチャル・リアリティーとマージド・リアリティー(MR)体験、よりパワフルなゲーミング、強化されたセキュリティーとアイデンティティー・プロテクション、真の常時接続されたコンピューティング」などです。

臨場感あふれるVR体験を楽しめるよう、専門家がVRゲームと機器を選ぶ際の5 つの項目を紹介しています。

臨場感ある体験に対応した GPU

美しいグラフィックは、従来のゲームでは、ぜいたくなものと考えられることが多いですが、VR で良い体験を実現するには不可欠です。 リーブス氏によると、目から入った情報を感覚に伝達する物質が、コンピューターに接続されたヘッドセットを装着したプレイヤーを、リアルなバーチャル環境に送り込みます。

現実のようなVR体験の大部分は視覚によるものであるため、強力なグラフィックス・カードが必要だと同氏は言います。

スタンフォード大学の Virtual Human Interaction Lab のディレクター、ジェレミー・ベイレンソン氏は、VR のグラフィックスによる違いは測定可能だと説明しています。

「臨場感に関する単位 (たとえば、ゲームのフレームレート、反応速度、解像度およびその他のグラフィックに関することなど)が 1 ポイント増えるごとに、バーチャル世界にいるような感覚が 3 分の 1ポイント 増加します」とベイレンソン氏は話しています。

これはつまり、高性能のグラフィックス・カードを使用しているプレーヤーほど、より強くシミュレートされた環境内に実際にいるように感じるということです。 通常のゲームにおけるグラフィックスの業界標準は最高30 ~ 60 FPS (フレーム/秒) ですが、VR の場合は最低でも 90 FPS が必要です。 今のところは NVIDIA GTX 970 または AMD 290 で間に合うだろうと専門家は述べていますが、リーブス氏は今後の VR に対応するにあたり、GeForce GTX 1080 またはそれと同等のグラフィックス・カードを推奨しています。

「Arizona Sunshine」で協力して混乱の世界を生き抜く

ゾンビがはびこる世界での生き残りを賭けた戦いほど、みんなで一緒に楽しめるものはありません。 「HTC Vive」と「Oculus Rift」に対応したシューティング・ゲーム「Arizona Sunshine」では、マルチプレーヤー VR 体験を通じ、プレーヤー同士が協力して、町を赤く染めることができます。 このゲームの「ホード (大群) モード」では、まるでテキサス独立戦争時のアラモの戦いをゾンビ映画の第一人者であるジョージ・ロメロ監督が描いたかのような、生か死かの状況に4 人組のプレーヤーが置かれます。

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ゾンビは、シューティング・ゲーム・ファンであれば馴染みのあるゲームのテーマですが、Jaywalkers Interactive 社の共同ゲーム開発者であり、デザイナーのローレンス・ブルーインズ氏によると、VR ではゲーム体験が一変するとのことです。

「VR では、ゾンビがはびこる世界をプレイするのではなく、実際にその世界に入り込むことが、初めて可能になります。 コントローラーのボタンを押して、車のドアを開けたり、弾薬を拾ったりするのではなく、現実の世界と同じような動作を行います。これによって、ありふれた状況でも、驚くほどの緊張感が生まれます」と同氏は語ります。

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戦闘中にプレーヤーの PC が低速化するのを防ぎ、リアルな物理効果と安定したパフォーマンスを確保するために、Vertigo Games 社はインテル® Core™ i7-6700K プロセッサーを推奨しています。

「ゾンビゲームのファンは、世界の破壊、倒れた人やゾンビが不自然に倒れている様子(ラグドール物理)、ゾンビが切り裂かれたり、風、空気中のフレア、衝撃波などを見たがっています」と、このゲームのディレクター、リチャード・スティットセラー氏は話しています。

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基本的なインタラクションをもレンダリングするという過大なな処理が求められるため、このような表現を実現するには、強力なパワーを備えたチップが必要です。

「(インテル® Core™ i7-6700K プロセッサーは)正しいと感じられる形で世界に命を吹き込むことができるので、 より一層、臨場感あふれる体験になります」とスティットセラー氏は語っています。

CPUが広げる可能性

グラフィックス・カードと CPU は、連動して、流れるように滑らかに感じられる (そして VR 酔いを防ぐ) VR 体験を作り上げます。

GPU と CPU は「バランスが大切」とリーブス氏は語ります。

GPU と CPU の能力を最大限に引き出すには、2 つのチップが同等の性能でなければならないと説明しています。 同氏は、GeForce GTX 1080 グラフィックス・カードをインテル® Core™ i7-6700K プロセッサーと組み合わせることを推奨しています。 また、当面の間は、インテル® Core™ i5-6600K も選択肢になり得ます。

「一般に、ハイエンドの GPU を使うのであれば、CPU もハイエンドのものにすることをお勧めします。 そうすることで、2 つがうまく連動し、 一方がもう一方の処理を待つということがなくなります」と同氏は話しています。

「Star Trek: Bridge Crew」で夢を現実に

「Star Trek: The Next Generation」(日本語タイトル: 新スタートレック) でホロデッキが初めて登場して以来、番組のファンは、コンピューターが生み出す現実のような世界を訪れることを夢見てきました。 未来の VR の流行をいち早く取り入れたこの架装置は、極めて現実に近い架空の世界を作り出すことができます。

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「現在、ハードウェアやテクノロジーが追い付き、新たな可能性が開けたため、ファンにとっての生涯の夢を現実のものにすることができるようになりました」と、「Star Trek: Bridge Crew」のクリエイティブ・ディレクター、ブライアン・テイト氏は語ります。

2017 年に「HTC Vive」、「PlayStation VR」、「Oculus Rift」向けタイトルとして発売される「Bridge Crew」では、かつてカーク艦長がスポックや宇宙船エンタープライズ号のその他の乗員に命令を出した有名なセットがバーチャルで再構築され、そこにプレイヤーが集合します。 そして、プレーヤーはエンタープライズ号の主要な乗員の役を演じます。

このゲームは、謎に満ちた宇宙の物理効果を強化するために通常以上の処理能力を使用するため、インテル® Core™ i7 プロセッサーなど、インテル® ハイパー・スレッディング・テクノロジー対応CPUを搭載した PC でプレイすると、最も楽しめるだろうととテイト氏は話しています。

プレーヤーが宇宙船を操縦して、星雲を通り抜けるにしても、小惑星帯から脱出するにしても、新たなる未知が周りを取り巻き続けるでしょう。

高速のソリッドステート・ドライブをお忘れなく

見過ごされがちですが、高速のソリッドステート・ドライブ(SSD)は、VR ハードウェアの影の立て役者です。

通常のゲームでも読み込み画面を見続けることはイライラするものですが、VR では、読み込み時間が長いと、プレーヤーはヘッドセットで顔を覆ったまま暗闇で座って待つことになるので、その時間は耐え難いものになります。

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「待ち時間を最小限に抑えるうえで、ストレージメディアの速度が重要になります」とリーブス氏は語ります。 インテル® SSD 600p や インテル® SSD 750 シリーズのドライブがあれば、画面で回転する砂時計を見ながら長く待つ必要はありません。

読み込み時間が長いと、不快になるだけでなく、 VR 体験が中断されてしまいます。 VR の臨場感を最大限に高めるには、できる限り VR 体験が途切れないようにする必要があると、リーブス氏は述べています。

 

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