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e スポーツが追い求める究極の標準

Jason Johnson Freelance writer and editor

e スポーツ・トーナメントで PC ゲームの公平性を担保する標準機器とは?最高のコンポーネントで構成される理由を探ってみましょう。

第 11 回目を迎える e スポーツの世界大会 Intel® Extreme Masters (IEM)が近づくにつれ、競技ゲームに使用する標準機器の基準にもう一度注目が集まろうとしています。

中国、米国、韓国、ポーランドと複数都市で開催されるこのイベントは、IEM 上海 (7 月 28 日~ 31 日) を皮切りにスタート。その賞金は高額になるでしょう。IEM 上海では、リアルタイム・ストラテジー・コンピューター・ゲームの「StarCraft II LAN」で競技が行われます。翌週に開催されるワールド・チャンピオンシップ・シリーズ (WCS) の公式大会 Summer Circuit Championship の前に同ゲームの競技が行われるのは、今回が最後です。つまり、このトーナメント戦で、WCS に進む優勝候補が決まるのです。

また、IEM 上海は、プレーヤーにとって WCS ポイント獲得の最後のチャンスでもあります。このポイントの獲得次第で、年末に Blizzcon で開催される WCS Championship への参加資格が得られ、誰もが熱望する世界チャンピオンのタイトルに近づけるのです。しかも、優勝賞金は、200,000 ドル (約 2,000 万円) です。

写真提供:ジョー・ブレーディー氏
写真提供:ジョー・ブレーディー氏

e スポーツの資格制度の重要性がますます増してきているのは、主催者とプレーヤーの双方にとって、公正性が最大の懸案事項になっていることの表れです。競技会の最中は、プレーヤーの機器が不具合を起こさず、競技が滞りなく進行することが重要です。

「e スポーツにおける PC は、テニスでいうラケットのようなものです。頭脳であり、腕力であり、対戦ゲームに望ましいツールであるべきです」と IEM 主催者のジョージ・ウー氏は語ります。

従来のスポーツ用具とは異なり、IEM が規定する標準 PC の仕様は常にレベルアップしています。各コンポーネントは最新テクノロジーに合わせてアップグレードされるからです。

競技の公平性を確保するため、IEM の PC は、一様に最高レベルのパフォーマンス標準を満たしています。ちなみに、IEM シーズンを通して使用されるチャンピオンシップ・レベルの各ゲーム PC は、インテル® Solid-State Drive、Gigabyte 製マザーボード、GTX 960 グラフィックス・カードを採用しています。

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2007 年に IEM がはじまった当初は、シーズン中に何度か PC 内部のパーツを交換していました。以来ずっと、イベントで使用するコンピューターは最新テクノロジーに追随しています。「つまり、現時点において最高のパフォーマンスを持った PC が競技で使われるのです」とウー氏。

動作が遅いハードディスク・ドライブ (HDD) の代わりに俊敏に動くソリッドステート・ドライブ (SSD) が使われるようになったのも、こうした理由からです。マザーボードは必要に応じて交換されます。近々、USB ポートから Thunderbolt™ I/O ポートへの移行も行われるでしょう。これにより、マウス、キーボード、ゲーム間の通信精度が向上することになります。

特に競技の公平性を保つ上では、プロセッサーや CPU を最新のものにしておくことが重要です。インテルのゲーミング・ストラテジスト、マーク・チャンも、「プロセッサーにパワーが不足していると、決定的な瞬間に動作がもたつくリスクが高くなります」と指摘しています。

IEM PC の内部コンポーネント。写真提供:ヨルン・ワイマール氏
IEM PC の内部コンポーネント。写真提供:ヨルン・ワイマール氏

「CPU に最も高い負荷がかかるのは、敵と遭遇して弾丸の動きなどの複雑な物理現象を計算するときです。敵が登場したらすぐに、自分を最高の状態にしなければなりません。マシンの速度が少しでも落ちるようなら、マシンの内部を確認したほうが良いでしょう」とチャン。

プロセッサーが適切なフレームレートやゲームの動作速度を維持できないと、競技で相手と対等に闘うのは難しくなります。

「競技ゲームの処理能力について、一般の人はあまり考えたことがないかもしれませんね。決定的な瞬間に、動作の遅れ、ぎこちない動き、一時的なもたつきが起こったら、ゲームプレイに大きなマイナスとなるのです」と ESL Pro シリーズおよび Intel® Extreme Masters のプロダクト・マネージャー、バスティアン・ファイザー氏は説明します。

このような懸念から、e スポーツのイベントでは、標準化された PC の推進が大きな課題となっています。2015 年の Dota 2 Asia Championship の後、Valve 社では、「Dota 2」をプレイするトップチームのキャプテンたちと、プレーヤーの状態について話し合う場を設けたそうです。

IEM ゲーム PC のクローズアップ写真。写真提供:ヨルン・ワイマール氏
IEM ゲーム PC のクローズアップ写真。写真提供:ヨルン・ワイマール氏

そこで議論されたのは、トーナメント全体で使用するハードウェアの標準化についてでした。

プロゲームチーム Evil Geniuses のキャプテン、ピーター・ダガー氏 (ハンドルネーム:ppd) は自身のビデオブログで、「会合にはメジャー大会に出場しているほとんどのチームが参加しており、トーナメントの規則において何が重要かについて話し合いました」と振り返っています。

高性能な標準機器は、トーナメントに限らず、プロが個人的に使用する場合にも重要です。本番で勝つためのトレーニングには、トーナメントで使用される標準機器に匹敵する、完全にアップグレードされた機器が必要です。なぜなら、スキルを磨くための環境を整えやすくなるだけでなく、本番でも同等の環境下で力を発揮でき、かつ信頼性も高まるからです。

MSI 製グラフィックス・カード。写真提供:ヨルン・ワイマール氏
MSI 製グラフィックス・カード。写真提供:ヨルン・ワイマール氏

「たまにしかゲームをしない人は、こういったことを見過ごしてしまったり、大事な問題だという認識がなかったりするんですよね。おそらくプロチームに入ろうと考えている 15 歳の若者なら、過去に一度は競技ゲームにふさわしい機器を購入したことがあるはずです」とスポーツ専門テレビ局 ESPN で述べたのは、一人称視点のシューティング・ゲーム「CS:GO」のプロチーム、Winterfox のアレックス・ダイリー氏 (ハンドルネーム:LeX) です。

それほどパワーのないシステムでプレイできるゲームもあるものの、ファイザー氏は、そうしたシステムを使うのは理想的ではないとして、「一部の最新ゲームでも明らかになってきたように、性能の良いゲーム機器を持っていると、パフォーマンスの問題で苦戦している他のプレーヤーよりもずっと優位に立てます」と語っています。

MSI 製グラフィックス・カード。写真提供:ヨルン・ワイマール氏
MSI 製グラフィックス・カード。写真提供:ヨルン・ワイマール氏

適切なゲーム PC を使うことのメリットは、ゲームプレイの向上だけではありません。第 6 世代、もしくは先日発表された第 7 世代のインテル® Core™ プロセッサー・ファミリーを使っているユーザーは、トーナメントでプレイしている最中に、ストリーミングが改善されたことに加え、デジタル・ビデオ・レコーダー (DVR) が常時稼動していることのメリットを実感することができるでしょう。

「IEM がお届けするライブビデオは、常にインテル® プロセッサー搭載のパワーアップしたマシンが表示したものです。おかげでレンダリング時間が短縮されています」とファイザー氏。

ウー氏も、「シーズン 11 の先を見据えて、IEM トーナメントでは新たにインテル® Core™ i7-6950X プロセッサー エクストリーム・エディションを採用。さらに高いパフォーマンスのもとで競技が行われます。適切なテクノロジーの採用は、競技ゲームだけでなく、ゲーム開発、トーナメントの開催、ブロードキャスト、さらにはバーチャル・リアリティーの未来にまで影響を及ぼします。当然ながら、CPU は、引き続き e スポーツの世界で重要な役割を果たしていくことでしょう」と語っています。

 

画像提供:ジョー・ブレーディー氏

編集ノート:インテル® Core™ i7 プロセッサーエクストリーム・エディションインテル® ターボ・ブースト・マックス・テクノロジー 3.0オーバークロックをはじめとするイノベーションで、あなたのゲーム・テクノロジーを強化する方法については、こちらのリンクをクリックしてください。また、ゲームおよび e スポーツに関する別の記事をお読みになりたい方は、「Game On!」コレクションをご覧ください。

※文中に記載の金額は、日本語原稿執筆時の為替レートで計算しています。

 

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