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インディーズ・ゲームが新世代に伝えるアーケード文化

Jason Johnson Freelance writer and editor

大画面で壮大な世界観を体感できる懐かしのアーケードゲームが、新世代のゲーマーたちの注目を集めています。

ゲームセンターでアクションゲームの「フロッガー」やパズルゲームの元祖「テトリス」などのゲーム機に際限なく小銭をつぎ込んでいた時代は、もはや遠い日の想い出です。しかし、「パックマン」、「ドンキーコング」、「スペースインベーダー」などのオリジナル・アーケードゲームは、廃れるどころか、ここに来てにわかに注目を集めています。独立系のクリエイティブな開発者とテクノロジーが融合することで、インディーズ・ゲームを大画面で簡単に楽しめるようになったからです。リビングから世界中のゲームイベントまで、懐かしのアーケードゲームがその勢いを広げています。

「多くの人は、インディーズ・ゲームと、その新しい世界を知りません」と、A MAZE Berlin の共同設立者でありアーティスティック・ディレクターのトルステン・ヴィーデマン氏。

A Maze Berlin 2016, credit: Jens Keiner

毎年開催されるゲームの祭典「A MAZE Berlin」は、大人気のバーコーナーとともに、クリエイティブな個人や小規模なチームが低予算で製作した実験的なインディーズ・ゲームを紹介するイベントです。このイベントでは、新しいゲームやテクノロジーに触れながら、数十年前のゲームセンターで、騎士同士が一騎打ちで戦うゲーム「ジョスト」やシューティング・ゲーム「センチピード」などをプレイしていた青春時代のレトロな雰囲気を味わうことができます。

今年の A MAZE Berlin は、フリードリヒスハインで丸 2 日にわたって開催されました。屋外ビアガーデン、ストリート・アーティスト、クラブシーンで有名な地区です。バラエティーに富んだクリエイティブなゲームの数々を称えるパーティーには、1,200人を超える若者が詰めかけました。

A Maze Berlin 2016, credit: Jens Keiner

昔のゲームセンターとは異なり、大型テレビやプロジェクター画面にゲームが映し出され、照射された光が、集まった多くのストリート・アーティスト、画家、俳優、ミュージシャンたちを照らします。アーケードゲームの復興を目指すグループの一員として、このイベントで、さまざまなコンピューターを 40 インチのスクリーンに接続して展示を行ったヴィーデマン氏は、「大画面に映し出すことで、ゲームを驚きの体験に変えたいのです。扉を抜けた瞬間、興奮すること間違いなしです」と語っています。

人々は、公共の場での交流を楽しむ一方で、自宅のようなプライベートな場所で気楽にゲームを楽しみたいとも思っています。そんなとき、インテル® Compute Stick などのポータブルデバイスを使えば、自宅の HDMI 対応テレビがアーケード機に早変わりします。

インテル® Compute Stick があれば、ゲームをどこにでも持ち運ぶことができます。

さらに世界の別の場所に目を向けると、一風変わったゲーム体験も広がりを見せています。ゲーム集団 Babycastles に所属するヴィーデマン氏の友人たちは、マンハッタンで大規模なイベントを定期的に開催しています。数年前、彼らはニューヨーク近代美術館の一室の 4 つの壁と天井に「ミズ・パックマン」 (1981年にアメリカで発売されたアーケードゲーム) を投影しました。

また、ロンドンを拠点に活動するパーティー・オーガナイザーの The Wild Rumpus 社は、自らを、ビデオゲームとレイヴ (一晩中大音量のダンスミュージックを流す音楽イベント) を融合した「アーケードゲームであり、ナイトクラブでもある」と説明しています。

アーケードゲームをミレニアル世代に新しいソーシャルゲームとして浸透させるには、創造性と遊びやすさがカギを握ります。しかし、懐かしのアーケードゲームの本当の魅力は、仲間で集まってプレイできることでしょう。

A Maze Berlin 2016, credit: Jens Keiner

新たなテクノロジーがアーケードゲームを復活させ

インディーズ・デザイナーは、リビングからバーまで、誰もがどこでも楽しめる魅惑的なビジュアルと思わず惹き込まれるような体験を作り上げることで、新たなアーケード文化に貢献しています。こうしたインディーズ・ゲームの開発者は、簡易性と可搬性がますます高まるコンピューター・テクノロジーをアーケード体験の復活に利用するようになっているのです。

例えば、第 2 世代のインテル® Compute Stick をはじめとするポケットサイズの「ミニ・コンピューター」は、HDMI ポートを備えた大型テレビの画面にシンプルなインディーズ・ゲームを映し出すことができます。おかげでゲーマーは、古くて巨大なゲーム機でしかプレイできなかったアーケードゲームを、自宅や友人の家、あるいは公共の場所にある大型 HD 画面で楽しめるようになっています。

Boss Fight Books 社から 2014 年に自伝『Galaga』を出版した小説家のマイケル・キンボール氏は、アーケードゲームがコミュニティーの確立とゲーム文化の構築に貢献すると主張しています。同氏は、1970 年代後半から 80 年代前半に登場したアーケードゲームをこう回想します。

「私は、アメリカでビデオゲームが全く普及していない時代に生まれ、小銭さえあれば誰でもゲームを楽しめる時代に育ちました」

2000 年代の中頃には、独立系のゲームデザイナーが展示会やギャラリーに自分たちの作品を持ち込むようになり、即席のアーケードゲームが広がりを見せ始めました。しかし、巨大なゲーム機を持ち運ぶのは、簡単なことではありません。運搬用のトラックはもちろん、運んだ後に設定する技術者チームも必要だったからです。その点、新しいポータブル・テクノロジーは、大画面テレビを除けば、設置の足かせとなっていた重量の問題を解消できます。

移動するアーケードゲー

PC や携帯電話向けに開発されたアクションゲーム「Circa Infinity」などは、思わず惹き込まれる美しさやその仕組みが大画面に適しています。次から次へと現れる円をひたすら渡っていくだけの一見シンプルなゲームですが、このインタラクティブな目の錯覚現象が、プレーヤーと観客を惹き込むのです。

一人でこのゲームを開発したというケニー・サン氏は、プレーヤーだけでなく観客をも魅了する理由をこう説明します。

「何が起きているか分からなくても、観ているだけ楽しくなります。視覚的な刺激がこれでもか、これでもかと飛び込んでくるので、どのように展開するのか、読み解いていくのが楽しくなってくるのです」

気軽に持ち運ぶことのできるこのゲームを、サン氏はシアトル、ポートランド、サンフランシスコ、オースティンのイベントで展示しています。

気軽に遊べる対戦アクションゲーム「Nidhogg」を制作したクリエイターの一人、マーク・エッセン氏も、パブリックイベントからハウスパーティーにまで広がる新しいアーケードゲームをチャンスと捉え、最新作となる「Flywrench」を開発しました。

「Flywrench では分かりやすさを重視しました。プレイしていない人も、観ているだけでプレーヤーと同じ感覚を体験できるようなゲームにしたかったのです」とエッセン氏。

そのため、爆発的人気を集めたマホ向けタップ・アクション・ゲーム「Flappy Bird」やフリーウェアの名作として知られるヘリコプター・シミュレーション・ゲーム「Helicopter Game」のように、分かりやすい仕組みになっています。

「ゲーム自体は非常にシンプルです。アイテムなどはありません。画面に見えている場所だけで物事が展開していきます」とエッセン氏。

軽量なインディーズ・ゲームが次々と生まれ、デザイナーたちが分かりやすさとソーシャル体験を重視するようになったことで、今日のアーケードゲームは単なる復興の域を超えた存在になりつつあります。ゲームそのものが変貌を遂げているのです。

写真:Jens Keiner

編集ノート:インテル® Compute Stick では、大画面テレビでゲームをプレイし、エンターテインメントを楽しむことができます。その膨大な活用事例をご覧ください。

 

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