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チェコのイノベーターが世界最大の 3D フォトバンクを開発

ロボットの開発で世界的に評価された高校生が、これまで科学に注いでいた情熱を今度は新規事業に移して突き進んでいます。

2009 年、チェコ共和国出身の 3 人の 18 歳の若者たちが、ビール瓶を開けて中身をコップに注ぐという高度なロボットを開発し、International Science and Engineering Fair (ISEF:インテル国際学生科学技術フェア) を受賞しました。彼らにとってこれは、才能あるメーカーとしてのキャリアの始まりにすぎませんでした。

この果敢な学生のうちの 2 人、マレック・ボトロウベク氏とペトル・ブベニチェク氏は、今や世界最大の 3D フォトバンクのオーナーです。

「インテル ISEF での受賞は、私たちに実際のビジネスへの扉を開いてくれました。それを後押ししたのは、このコンテストの知名度だけでなく、私たちに賞をもたらした開発の結果と経験です」とボトロウベク氏は言います。 「学校のプロジェクトから実際のビジネスへの転換はとても簡単でした」

最終選考に残る学生は毎年 1,700 人を超え、地区、地域、全国のインテル ISEF 支部大会を勝ち抜くとインテル ISEF の参加資格を得ることができます。 ボトロウベク氏は最終選考に残り、彼のチームは 3,000 ドルを獲得しました。 それが、彼の新規事業である 3Doid のきっかけになりました。

3Doid では、専用の特殊な機械と独自のアルゴリズムを用いて、3doid という 360 度の 3D 写真を作成します。 3doid は 9 カ所の異なる高さから全部で 324 枚の写真を取り込んで 1 つにまとめたもので、機械がすべて自動で作成してくれます。

最大解像度はフル HD の 2 倍の 4 メガピクセルであり、拡大や回転で写真のフォーカスが合わなくなることはありません。 よって、オンラインで製品を販売する企業にとって、 3doid は理想的な選択肢になります。 チェコの大手オンラインストアの大部分が 3doid を使用しています。ボトロウベク氏は、3doid を使うことで大きなメリットが得られると言います。

ほとんどのメーカーが公開するのは、実際の製品の写真ではなく写真に近いリアルな画像なので、小売業者は競合他社と同じ画像を使用せざるを得なくなっています。 ぼやけた画像や 1 方向から見た画像しかないと、さらに困ったことになります。

「お客様にとっては、あらゆる方向から見ることができる製品のほうが興味を持ちやすいのが普通です。 製品が期待したほどでなければ、もっと良い製品を買うことができます」とボトロウベク氏は言います。

3doid を使用することは、小売業者にとってもメリットがあります。 企業のコンバージョン最適化とデータ主導型の成長に特化した企業である ConversionXL の設立者、ピープ・ラジャ氏によると、3doid を使用した Web サイトで製品を購入した顧客数は、2D 画像を使用した場合と比べて、およそ 27 パーセント多かったということです。

3doid は元々、プラスチック自動車部品の製造会社で働いていたブベニチェク氏の父親のアイデアでした。 これらの部品の形はさまざまであり、組み合わせが難しいことが多々あります。 3doid なら、あらゆる角度から複雑なディテールを表示することができ、毎回完璧に組み合わせることができます。

事業は最終的にフォトグラフィング・エレクトロニクス分野に移行しました。 しかし、3Doid が際立っているのは、製品が市場に出る前でも 3D 写真を取り込めるという点です。

「製品がメーカーから国内の正規な流通を経て e ショップに届くまでの間に、私たちは製品を撮影します。 よって、製品が販売される頃には 3doid も使える状態になっています。 現在、メーカーと協力して、製品が出荷されるときに撮影できるようになりつつあります」とボトロウベク氏は説明します。

3doid は革新と成長を続けています。ボトロウベク氏は、事業が軌道に乗ったのはグループの ISEF 受賞のおかげだとしています。

「つまりインテル ISEF を目指す過程で、効果的かつ迅速に仕事をすることを学んだというわけです」と彼は言います。 「インテル ISEF がなかったら、今と同じことをやっているとは思いますが、ここまでたどり着くのに 5 年は余分にかかったでしょう。 私の発明のほぼすべてが、以前に発明したもの、つまり ISEF のコンテストに出したロボットに基づいています」

ボトロウベク氏は子供のとき LEGO に夢中になり、さまざまな機械のしくみを突き止めるのが大好きでした。 中学校に進学した頃、彼の化学と物理学の先生であるマティーナ・クンデローバ氏は、彼の技術者としての秀でた才能に気付きました。 クンデローバ先生は、ボトロウベク君とブベニチェク君にコンテストに出るように勧めました。

そして誕生したのが、ビールを注ぐ EiMSA Robot でした。 しかし、このロボットが持つ本質的な機能はビール瓶を開けることではありません。

このロボットは、操作者の要求に従って、物を探したり、操作したりするように作られていました。 ロボットはデジタルカメラを通じて「認識」します。デジタルカメラは画像をコンピューターに送信し、そこで画像が処理されます。 このように、ロボットは事前に定義された物を探します。

要求された物が見つかると、コンピューターはエンジンの制御センターに命令を送信します。 ロボットは AKU ドリルの電気エンジンで動作します。AKU ドリルは、8 つのホイールとさまざまな物をつかむように調整された 1 つのアームを動かします。

この素晴らしい機械は、世界 56 カ国から参加した 320 のプロジェクトの頂点に立ちました。 ボトロウベク氏は、彼のチームが際立っていたのはプロジェクトの知識だと言います。

「私たちは他のチームよりもプロジェクトをかなり細かい部分まで理解していました。開発に何百時間もかけたおかげです。 EiMSAR の構造に使われている部品がなぜそのように使用されているのかと審査員に聞かれれば、すぐに答えることができました」と彼は語ります。

ボトロウベク氏は、当時と同じレベルの情熱と知識をどのプロジェクトでも持ち続けています。 3Doid ベンチャーとは別に、彼は自宅で完璧な芝刈りができる EDWIN シリンダー芝刈り機や、起伏の多い土地を水圧シリンダーで上り下りして移動できる実験的な 8 輪車いすも手掛けています。

ボトロウベク氏は怠けたり先延ばしにすることを拒み、むしろ猛烈なペースでイノベーションを起こすことを選びます。 彼が自分で思うに、休めるのは仕事が完了したときです。

「アイデアが頭の中にある間は、全速力で仕事します。 休めるのは 5 年、10 年先でしょう。 休まずに、相変わらずプロジェクトをやっているかもしれませんが」とボトロウベク氏は語ります。

記事協力:カテリーナ・ボウソバ

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